患者さんとお話していると、よく「親知らずがあるのですが、抜歯しなければダメですか?」と相談されることがあります。
親知らず自体は決して悪者ではなく、顎が十分に発達していれば、正常に萌出(歯がはえること)して食べ物を噛むという「歯」としての機能を営むことができます。
しかし、顎の発達が不十分だと親知らずが萌出するためのスペースがなくなり、顎骨内に埋没してしまうことが多くなります。
埋没した親知らずは、その程度により差はありますが、特に清掃が困難となり、様々な障害を引き起こしやすく、場合によっては抜歯が必要となることがあります。
ご自身の親知らずの状態をきちんと把握し、管理することが大切となりますので、親知らずが気になる方はお気軽にご相談下さい。
(発行元:大阪保険医協会)
歯周疾患は早産・低体重児出産のリスクを高めます。
妊娠中の口腔ケア指導は、出産時のリスクを減らすだけでなく子どもの虫歯予防にもつながり、産科・歯科の連携が大切です。
赤ちゃんの乳歯は妊娠中に作られ、口腔ケアの指導を妊婦さんが受けることは、早産のリスクを減らすだけでなく、赤ちゃんの歯の健康にもつながります。
「妊娠したら歯が弱くなる」はウソで、つわりや育児で口腔ケアが十分できなくなり、妊娠・出産で虫歯になる人が多いようです。
赤ちゃんに母乳やミルクを与えたらお口の中をキレイに清掃してあげて下さい。
「強い歯は、母で作って子どもで守る」昔の言葉です。
(発行元:大阪保険医協会)
新しくかぶせたこの歯、いつまでもつのかしら?
と心配に思った事はありませんか?
かぶせた歯がもたない場合として、歯が割れること、もしくはむし歯の再発などがあります。
残った歯質が少ないほど割れやすくなります。どれくらい歯質が残っているかが長持ちに影響します。また、むし歯は歯の周りに長く汚れが付くことで発生します。かぶせた歯を大切な指輪のように金庫に入れておけるなら、そのままの状態を保つことはできるでしょう。
しかし、お口の中にある歯は食事をするたびに汚れます。
ほっておけば、かぶせと歯の境目からむし歯が再発します。
失われた歯質は戻ってきませんので、割れないようにするにはかぶせた歯で硬いものをがじるのは避けましょう。
そして歯をよく磨いて下さい。このふたつを意識してもらうだけでも長くその歯を使って頂けます。
治す前の歯の状態は、人それぞれ違いますから、心配のある方は担当の歯科医に詳しくご相談下さい。
「今日は定期検診でお越しですね。その後お子様のお口の中、気になられる事はございませんか?」との問いに、最近多いのが「はぁ、特には…」と。
「何がおかしいの?特に異常がないなら、それにこしたことはないじゃない」と思われるかもしれません。“特に何もないんだ”と思って検診を始めます。すると小3の女の子、6歳臼歯がバッチリ生えています。咬み合わせの溝が黒いので、「着色かな?」と思いきや、穴があいています。上下左右すべて…残念ながら全滅でした。かろうじてシーラントが入っている(虫歯予防処置)1本だけがセーフ。
小3といえば、確かに自分からすすんで歯磨きもでき、親にやってもらうのはだんだんとイヤになってくる年齢かもしれませんが、まだまだ中学年…。せめて小学校いっぱいまではチェックしてあげて欲しいのです。
保護者のみなさん!!せめて検診に来られる前には、できる限りお子さんのお口の中を把握して、いらっしゃいませんか?
「6歳臼歯黒いんですが大丈夫でしょうか」と言える方、「あなたはえらい!!」と感心しますヨ。
歯ぐきが腫れているな〜くらいの自覚症状しかない時に、歯医者さんに(軽度の)歯周病ですといわれるとショックを受けますよね。歯周病のイメージはおそらく歯がぐらぐらして抜けてしまう、歯ぐきから膿が出てくるといった感じでしょうか。確かに、歯周病はかつては歯槽膿漏と呼んでいたように、歯の周りから膿が出てくる病気ではありますが、現在では呼び方が変わったように内容も少し変化しています。
歯周病は、歯の周りの病気と書きます。つまり歯の周りの組織(歯ぐきや歯を支えている骨など)が炎症を起している状態のことを示します。ということは、歯ぐきが腫れているということだけでも立派(?)な歯周病なのです。
ただし、もう少し説明を付け加えるならば、歯周病というのは様々なステージがあります。最初は歯ぐきが腫れている状態から、ズキズキ痛む、膿が出てくる、歯がぐらぐらするといった状態へと進行していきます。つまり軽度な状態から次第に重度へと進んでいくのですね。昔で言う歯槽膿漏は重度の歯周病と思って頂いていいでしょう。
歯周病は、糖尿病や高血圧などと同じく生活習慣病の一つです。少しづつ悪くなっていく病気ですが、適切な処置で病状をコントロールできますので、できるだけ初期の段階で進行を食い止めていくのが肝心です。
1994年に東京都衛生局が、東京都歯科医師会と協力して調査した結果、年齢と歯の数との関係をパーセンタイル表にして示した図です。
図をご覧下さい。縦軸は歯の数、横軸は年齢です。例えば、50歳で25本の歯を持つ方は、50パーセンタイルの線上にあります。
その意味は50歳の方100人のうち、多く歯を持つ人から50番目(真中)です。10本持つ方は97パーセンタイル、100人中97番目で、
どのまま過ごせば63歳で0本になることが予想されます。
では皆さん、ご自分の位置を探してみようではありませんか。
同年齢の方々のうち何番目くらいでしょうか。10年後、20年後は何本くらい歯が残っているでしょうか。
成績は悪くてもご心配には及びません。予想値はあくまで、今のままで過ごせばという仮定のものです。
悪くしないようにどうすればよいかを知り、歯医者さんの治療や定期健診など心掛ければ、今後1本も歯を失うことのないようにもできるのです。
図からわかるように、年齢の若いうちに歯数の少ない方ほど、歯の失い方はひどくなります。また、50歳を過ぎてから歯の失いかたがひどくなっています。
気付いたときから5年でも10年でもプレーキをかければ、結果は大きく変わります。是非どうすればよいか歯科医にご相談下さい。
(発行元:大阪保険医協会)
歯の表面のエナメル質が白く濁った状態になることをエナメル白斑(はくはん)と呼び、これが初期の虫歯です。
エナメル白斑は、脱灰(酸によってエナメル質が溶けること)よりも再石灰化が促進され、獲得されるミネラルの量が、健全部と同程度まで回復すると消えます。
すなわち白斑が進行するか可逆変化するかは脱灰と再石灰化とのバランスによってきまるのです。
脱灰と再石灰化とのバランスをコントロールする最大ポイントは、セルフケアー(ご家庭で自分自身で行うブラッシングやフロッシングなどのケアー)と
プロフェッショナルケアー(歯科医院で実施される各種メンテナンスケアー)の両面から、歯垢から酸の産生されるのを抑えることと同時に、
だ液と歯質表面が接する機会を促し、だ液による再石灰化をいかに促進させるかです。
そのためには、フッ化物の局所塗布はぜひとも必要です。
虫歯は、なってしまうと二度と元に戻らない誤りです。日常から手入れを怠らず、歯科医院での各種予防処置をこまめに受けるようにしましょうね。
(発行元:大阪保険医協会)